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CSRレポート 2017
従業員とともに

2016年は一億層活躍社会実現に向けた「働き方改革」が話題になった年でした。日経印刷においても限定正社員制度の導入など多様な働き方への対応を進めてきましたが、労働基準監督署の臨検をきっかけとして、残業削減が大きく進みました。またストレスチェックの実施や本社のリニューアルなど、より働きやすい環境づくりも進んでいます。

労働基準監督署の臨検と残業時間削減への取り組み

千代田区飯田橋にある本社に対して、中央労働基準監督署の臨検がありました。そこで営業職に対する時間外手当について、毎月定額の営業手当を時間外労働35時間分のみなし手当として支給しているが35時間を超えた分を支給していないとの指摘があり、営業職社員への時間外手当の支給をすることになりました。8月の時点で3月にさかのぼって時間外手当の再計算を行い、3月から7月まで未払いとなっていた時間外手当を支給するとともに、勤怠管理システムを見直し、営業職の35時間を越える残業時間を集計して時間外手当を支払うように変更しました。また、残業時間削減にむけた全社的な取り組みを行い、前年に比べ大幅な残業時間の削減ができました。

残業状況ヒートマップ

残業状況ヒートマップ

組織力向上部会の開催

2012年の人事制度見直し以降も人事にかかわる課題は尽きることがありません。そこで経営会議メンバーと管理本部のマネージャが集まり、組織力向上部会を月2回開催しています。さまざまなテーマについて議論を進めていましたが、労働基準監督署の臨検があったため、その対応として残業削減、働き方の見直しを中心に議論を行いました。残業削減の取り組みの一環として、厚生労働省の「働き方・休み方改革」にかかるモデル事業に参加し、三菱総合研究所様のヒアリングを受けました。こちらの取り組みについては、厚生労働省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」に事例として紹介されています。
http://work-holiday.mhlw.go.jp/index.html

社内研修

2013年に教育体系構築プロジェクトを推進し、会社全体の教育体系図を作成しました。2016年度もその体系図に基づいて、さまざまな研修を計画し、その一部を実施しました。

教育体系図

教育体系図

(1)新入社員研修・フォローアップ研修

2016年度は4月1日に新卒14名、キャリア2名の合計16名が入社しました。4月1日に入社式を行い、引き続き新入社員研修を実施しました。日経印刷の新入社員研修は各部署のマネージャが講師を担当します。2日間の社内研修の後は、学校法人日本プリンティングアカデミーで約3週間、印刷の基礎について学習します。また、入社から半年経った10月にはフォローアップ研修を実施しています。そこでは、自分のできていること、できていないことについて上司・先輩からアドバイスをもらうことで、2年目に向けての意識付けを行っています。

  • 研修の様子1
  • 研修の様子2
  • 研修の様子3

(2)中堅社員研修

6月2日から4日の3日間、大卒4年目、高卒6年目の社員12名を集めて、中堅社員研修を実施しました。問題解決力、コミュニケーション力、問題解決実践力の向上を目的とした、2泊3日の研修です。さまざまな部署の社員が集まることから、部署間連携の強化も狙いのひとつとなっています。

  • 研修の様子1
  • 研修の様子2
  • 研修の様子3

(3)管理職研修

2015年度に引き続き、管理職研修を実施しました。

  • 研修の様子1
  • 研修の様子2
  • 研修の様子3

(4)新任管理職研修

1月に新たに就任した課長を対象に、新任管理職研修を実施しました。課長としての役割や責任、権限について、さらには稟議や勤怠管理といった知識の習得を目的としています。

(5)DTPエキスパート講習

当社では営業本部、制作本部に所属する2年目の社員に対して、DTPエキスパート資格取得に向けた講習を行っています。6~8月の土曜日に、チャレンジ講座、直前対策講座を開催、9月には実技対策を行って合格に向けたサポートをしています。結果として、2016年8月に行われた第44期DTPエキスパート認証試験では、全体の合格率が39.2%だったのに対し、当社受験者の合格率は90.9%となりました。

部署間連携の第一歩「PhotoBook2017」と「社内報」

社内コミュニケーションの活性化、部署間連携の促進を目的として、2017年1月1日時点で在籍している全従業員(正社員、契約社員、パート社員 計435名)の顔写真を載せたPhotoBook2017を作成し、配布しました。従業員の顔写真とともに、好きな食べ物や行ってみたいところ、今年チャレンジすることを掲載した社員名鑑となっています。より一層円滑な社内のコミュニケーションと部署間連携の向上を期待しています。

また、それ以外にも社内報を年4回(2月、5月、8月、11月)発行しています。社内の最新情報を共有したり、社員を紹介したりすることで、社内のコミュニケーションの活性化に役立てています。

冊子

本社トイレの改修工事

本社勤務の女性社員が増えたことにより、各フロアのトイレについてリニューアルを求める意見が寄せられたため、ビルオーナーと相談して本社ビル各フロアのトイレの改修工事を行いました。6フロアということで2ヶ月程度の期間がかかりましたが、個室が増え、綺麗で快適な空間となりました。

改修後のトイレ

安否確認システムの導入

2011年の東日本大震災以降、大きな災害があった場合の社員への連絡、安否確認の重要性を認識し、検討を進めてきましたが、システムの安全性、セキュリティの確保などを踏まえて、NTTコミュニケーションズ様の「Biz安否確認」を導入しました。このシステムにより、社員とその家族もお互いの安否を確認することができます。システム導入後は社員と連絡が取れるメールアドレスの登録を進め、通報訓練も実施しています。

ストレスチェックの実施

労働安全衛生法の一部改正を受け、2015年12月1日にストレスチェック制度が施行されました。ストレスチェックとは社員が自身のストレスの程度を把握するとともに、会社として適切な対応、働きやすい職場作りをすすめることでメンタルヘルス不調を未然に防ぐ取り組みです。この制度を具体的に進めるには産業医との協力が欠かせないため、当社産業医のエリクシア様が開発したストレスチェックシステムを活用し、チェックを実施しました。その結果に対して、本人からの希望があれば産業医面談など、適切に対応をとっています。

互助会準会員制度の創設

毎年6月に開催する食事会の企画・運営、慶弔などあった場合にお祝い金を出すなど、社員全員が加入する互助会という制度があります。これまでは正社員、契約社員のみが加入するものとしていましたが、本人が希望すればパートアルバイト社員でも準会員として加入を認めるように加入条件を見直しました。2016年度は2名が加入を希望し、福利厚生サービスの利用ができるようになり、食事会にも参加しました。

シャッフルディナーの開催

晴朗塾という若手有志社員の集まりで、社員同士お互いのことをより知ることが仕事を円滑に進めることになるのではないかと考え、社員間でのコミュニケーションの活性化、他部署との交流を目的にシャッフルディナーというイベントを行っています。

Voice

坂井 英樹

印刷部浮間印刷課
坂井 英樹 さん

今回で3回目となるシャッフルディナーでは1、2回目の反省を活かし、開催場所を貸し切りにして、飲み放題、3時制で1人3000円と好条件でできました。今回の参加人数は約60名で1テーブルに4、5人で座りました。席決めはくじを引き、書いてあるテーブル番号に座ります。その中で簡単な自己紹介をして、会話を楽しみます。途中で席替えもあり多くの方と会話をする事が出来るのでとても賑やかです。途中カラオケが始まり吉村社長の美声が聴けたのはラッキーでした。次回は11月開催予定です。

1人でも多くの方に参加していただき、次回も盛り上げていきたいと思います。

シャッフルディナーの様子

ダイバーシティと労働安全衛生

多様化する雇用状況に対応

当社は年々多様化する雇用環境に対応し、ダイバーシティの推進に積極的に取り組んでいます。

  • 新卒採用 14名(男子9名、女子5名)
  • 中途採用 19名(障害者1名、60歳以上1名)
  • 定年退職者 4名
  • 60歳以上 16名
  • 外国籍 0名

労災の内訳と対策

2016年は業務災害が3件発生し、2015年より4件の減となりました。通勤災害は0件でした。発生した業務災害の内容は、以下のとおりです。

  • 作業場でミーティングをしている時に積んであったパレットが倒れてきた。
  • 校正を確認するライトテーブルで校正をお客様に提出する為、カッターを使用し校正物の用紙を切っていた際、カッターが左手人差し指にあたり2cmほど指を切ってしまった。
  • 工場内にて太もも位の高さに積んである紙500部1束のものを2段に重ねて1,000部を腰より低い高さの机で包装し、重量物約10kgのものを床に置いてあるパレットの上に中腰で置こうとしたら腰に違和感を感じた。作業を続けていたら激痛が走り、歩くのもままならない状態になった。

昨年の発生件数を大きく下回る3件と年間の発生数としては良かったですが、パレットの積み方、カッターの持ち方・使い方、重たいものの持ち上げ方といった基本的な事柄の不徹底が原因となっており、原因面からは不本意な結果になっています。新人として配属されたとき、真っ先に安全教育を行い、職場全体で事故の防止に努めています。

年度 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
件数 7件 5件 4件 7件 3件

健康管理と心身の安全配慮

産業医の月例定期訪問時に産業医面談を実施しています。内容は過重労働問診票や健康診断事後措置票によるものから、本人からの面談希望、メンタルの相談までさまざまです。2016年には述べ36名が産業医の面談を受けました。2016年にはラインケア研修と秋に行ったストレスチェックが実施されメンタルケア重要性がクローズアップされ産業医面談の認知度が高くなっている事も影響していると思われます。ストレスチェックの結果、高ストレス者として8名に面談を実施いたしました。今年以降もストレスチェックを行って行きます。

子育て支援制度

2016年度の子育て支援制度の利用状況は次のとおりとなりました。

・育児休業制度

2016年度の育児休業取得者は5名でした。そのうち1名は本制度初の男性社員の取得です。男性社員は2016年度中に復職し残り4名中3名は2017年4月に復職、残り1名は引き続き育児休業中となっています。また2017年度中に新たに産前産後休業に入る予定の社員が4名おり、産後休業終了後、引き続き育児休業となります。この4年間では産休・育休取得者が復職する割合は100%となっています。

・配偶者出産休暇

配偶者が出産した社員が5名いました。その内2名が制度を利用しました。

・子の看護休暇

19名、延べ68日間の利用がありました。

・育児短時間勤務

2015年度から継続して7名の社員が短時間勤務制度を利用して勤務したほか、4月に育児休業から復職した3名を含め、制度利用者が10名となりました。

・有給休暇取得状況

  • 全社平均取得日数 7.8日(16.1日付与)
  • 全社平均取得率 48.4%