3.会場を選定する

更新日 2025/01/15

会場選びの基本

会場を選ぶ際には、まずは集客人数がどれくらいかと交通の便が気になります。意外と見落としがちなのは、イベントを行う会場とは別に必要なルームの確保です。以下のようなときに必要となるので会場の候補を探す際に使用できるかもチェックしましょう。

  • 講師の先生が待機するルーム(複数名が待機する場合には数室必要)
  • 参加者にお土産を渡すときのお土産の準備作業や保管場所としておくルーム
  • 開催中にスタッフが待機する、または主催運営スタッフの荷物などを置いておくいわゆるスタッフルーム(鍵がかかるかどうかも大事)

ハイブリッド配信会場の選定

配信会場として選定する際に最も大事なことは「有線でつなげるネットの光回線」があるかどうかです。設備がない場合には候補から外しましょう。

ネット回線について確認する際、「フリーWi-Fiがあるのでそれを使ってください」というのが答えの場合があるかと思いますが、Wi-Fiは回線が安定していないため配信が安定せず、通信が途切れてしまうリスクが高いためおすすめしません。スマホで個人的に配信するのであればまだしも、ある程度の規模のイベントでは配信が途切れてしまうとそのイベント即は失敗ということになります。よって「有線でつなげる光回線」があるかは必ず確認してください!

安定した回線速度については4.光回線についてをご覧ください。

配信拠点やカメラ、スタッフの場所の確保の重要性

ハイブリッド配信ではカメラを配置して構えることがほとんどなので、そのスペースを確保しておく必要があります。配信のスタッフが配信を行う配信拠点も必要です。
配信拠点は、会場内で来場席数を減らさないように配置をすべきですが、会場の広さにより参加者とかなり近くなってしまう場合には、配信拠点の近くの席に着席ができないように配慮をしたほうがよいかと思います。
カメラで撮影する配信の映像に参加者の頭が映り込まないように舞台前にも少し空席を確保しておくとよいです。また、檀上は一段高くできれば理想的です。理由は参加者にとっても会場で見やすいということもあり、カメラでもとらえやすくなるからです。

このように会場の座席や壇上の見やすさも考慮に入れて会場を選定してください。

来場者に与える印象

以前に体験したことですが、会場はすでに決まっているのにカメラを会場でセットしてみるとカメラマン用のスペースがないことがありました。何とか無理やり構えたのですが、参加者の席のすぐ隣で構える形になりました。カメラマンとディレクターとの間でどこを狙うかなどのやり取りをインカムで行うので、参加者としてはとても気が散ったことでしょう(実際に参加者アンケートでもそのようなご意見があったそうです)。会場の適切な広さがなかったばかりに参加者の満足度が下がってしまう例になりました。たったこれだけのことなのかもしれませんがイベントの満足度に直結してしまうものです。

配信スタッフのスペースが確保されておらず狭い中でスタッフが動いているのは、かなり窮屈な印象を与えるものです。近いところで動くので気が散るということもありますが、仮にイベントの内容がよかったとしても「なにか息苦しい」とか「ちょっと狭くないかな」などとネガティブな感覚や印象を与えてしまうのは、できれば避けたいところですよね。

どのくらいのスペースを確保するかは機材設備やスタッフの人数にもよるので一概には示せませんが、できれば配信を担うスタッフと一緒にロケハンで会場へ出向き、相談しながら席数を決められれば大きく見込みが外れることはないと思います。
もしわからない場合には、集客人数×1.5人分のルームの確保をおすすめしています(ルームの形状やイベントプログラムにもよるのであくまで目安)。

確定した会場のハイブリッド配信におけるチェックポイントについては7.ロケハンをするで詳しく解説します。

会場予約について

会場を予約するにあたり以下の時間も考慮して検討してください。

〇機材搬入~機材セッティング
時間目安:2時間程度

〇リハーサル
時間目安:1時間~3時間
※イベントの開催時間やリハーサルをどこまで手厚く行うかにもよります
8.リハーサルをするもご参照ください。

〇搬出
時間目安:1時間

イベントの準備時間も考慮して会場の予約は行うかと思いますが、ハイブリッド配信イベントでは機材搬入~セッティングも時間を必ず確保しましょう。
また、リハーサルの時間確保も重要です。この時間がないとぶっつけ本番ということになります。どんなイベントでも流れの確認を行うことは必要です。ここをどのくらい手厚く(もしくは簡易に)行うかにより確保時間は変わりますが配信の仕方や規模、プログラムによっても変わりますので、配信会社やスタッフと相談の上検討しましょう。
リハーサルは関係者全員で流れの確認を行うことが理想的です。
8.リハーサルをするもご参照ください。

このような時間が確保できない場合は、準備が整わずにイベントが始められないということになりかねませんので会場の見直しを検討すべきだと思います。準備時間の確保はイベント成功のカギを握ります。

まとめ

ハイブリッド配信の会場選定で大事なポイントは、有線でつなげる光回線の有無、集客人数+機材とスタッフの場所の確保ができる広さ、会場予約では準備時間の確保です。