8.リハーサルをする
更新日 2025/01/15
リハーサルとは、個々の場面を本番と同様に進行させて、進行を確認する行為である。同義語や類義語には下稽古・予行演習があり、業界用語としての略称にはリハなども使われる。(ウィキペディアより)
この解説は至極もっともで理想的ですが、ハイブリッド配信においてリハーサルという言葉の意味には幅があり、人によって思っている範囲が違うことも多く、認識の齟齬が出やすいところでもあります。
リハーサルによって「何を、どこまで、行うのか」ということを明確にしておくことは当日の限られた準備の時間をスムーズに進めるためにとても大事なことです。
リハーサルで行うこと
配信のリハーサルでは具体的には何を行えばよいのでしょうか。
実際に8時間のイベントを8時間かけてリハーサルをすることは、なかなか行えないので、限られた時間の中で以下の項目を中心に確認していくとよいと思います。
- 進行台本に沿った進行の確認
- ネット回線に問題がないかテスト配信を行う
- 配信時の画面、音声はクリアか
- 会場に投影する画像、音響はクリアか
- 動画の映像、音声は会場と配信にクリアに流れているか
- 各コーナーの配信画面のレイアウト確認
- 画面や音響を切り替えるタイミングの確認
進行台本に沿って行う
進行台本を元に配信技術スタッフも動くので必要な事項は台本に記載しておきましょう。以下に記載しておくべき基本的な項目を4つあげますが、これ以外にも共有すべき情報は進行台本に記載しておくとよいです。進行台本は本番3日前までには完成させて関係者全員が共有してチェックする時間も設けましょう。
進行台本に記載しておく情報
1.全体の時間軸・各講演の開始と終了の時間
2.スライド投影の有無/使用するスライド資料、動画のファイル名
3.司会のセリフ
4.必要に応じた役割の動き(照明係が会場を明るくするとすぐマイク係がマイクを渡すなど)
リハーサルの進め方
司会の練習も兼ねて進行台本をもとに時間軸に沿って進行の流れを進めていきます。場面転換の始めと終わりなどポイントを絞って確認していくと効率的です。リハーサルは、役割を担った関係者全員で行うことをおすすめします。そうでないとリハーサルがあまり意味をなしません。なぜなら、例えば「誰がパソコンの操作を行うのか」や「発表者は上手から壇上へ上がるのか」など確認しきれていないところが必ず出てきますので、その場で決めて共有しておく必要があるからです。
リハーサルを行うときの注意点は、タイトルスライドや講演用スライド・動画などのデータがそろっている状態で行うことです。なければ表示ができないので映すタイミングやスライドが正しいのかさえ確認できません。
リハーサル進行のコツ
リハーサルの主軸はイベント進行の確認なのでリハーサルの進行役は主催・運営の担当者が適していると思います。
配信側のリハーサルはテクリハ(テクニックリハーサル)の意味合いが強いですね。
用語
テクリハ(テクニックリハーサル)
映像、音響、照明などの各機材のチェック、テクニカル機材の動作、タイミングなどを確認する時間です。この時間を確実に確保しオペレーションを事前にテストしておくこと。
よって進行は配信のディレクターと一緒に確認していくスタイルが理想的です。
「リハーサル」という言葉1つだけよりも、「流れの確認」「役割の確認」「配信テクリハ」「画面レイアウトの確認」など具体的に確認すべきタスクごとに言葉を変えていくとチェックすべきことが明確になるので、よいのではないでしょうか。
配信の成功のセオリーは、「準備をしっかり行うこと」に尽きます。この「しっかり」とは、上記リハでの確認を怠らず、漏れなく行う、という意味です。リハーサルの精度がイベントのクオリティに大きく影響するのです。
リハの方法は規模や確保できる時間などの影響もありケースバイケースなので、手厚く行うか・どう行うか、簡易に要所のみを行うほうがよいのかを決めて行いましょう。
リハーサルは「通しリハ」や「ランスルー」と言われることもありますのでこの2つの用語の意味も記載しておきます。
用語
通しリハ/ランスルー
リハーサルを意味する用語。本番と同じステージで同じ進行手順で最後までの流れを行います。基本的には途中で止めずに行いますが、気になった箇所は止めて調整をすることもあります。
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