「するする」は、印刷のあれこれをするする読んで楽しんでいただけるよう、「1記事が6分半で読める」をコンセプトに日経印刷が運営する暇つぶしのメディアです。

メニュー

検索する

×
自慢する自慢する

夏休みに軽井沢に行きましたが、森や川、自然がとても綺麗でした!昆虫も沢山いて子どもも喜んでいました。トップの画像は、軽井沢野鳥の森「ピッキオ」の「ケラ池」です。クリやミズナラ、カラマツなどが茂る国設の森です。年間で約80種類の野鳥を観察できるほか、四季折々の草花が咲き、ツキノワグマやニホンカモシカ、ムササビなどの多くの野生生物が生息しています。

私も5月に軽井沢のハルニレテラスという観光スポットに行きました。元々その場所には春になったら花が咲くニレ科の樹木が100本ほど植えてあって、その樹木を活かして作った跡地なのでハルニレテラスといわれています。近くには白糸の滝があり、森林浴を体感しながら散歩しました。

そういえば、地球環境保全やSDGsを子どもたちに、関心をもってもらえる取り組みを、小学校でもやっているようで、新聞を持ってきたりしています。

SDGsはテレビでも可愛いキャラクターがキャッチーな音楽に乗せて17項目を歌っていますね!子供たちも夢中で見て踊っているよ。
良い環境を子どもの将来に残したいですね。

子供たちが自然と認識して達成できるようにしたいですね!

私たち、印刷会社でも、環境問題を考慮した取り組みを行っていますね。

そうですね。企業として事業を展開しつつ、資源を大切にしたい、環境を守りたい……常に気にして働いていますよね……。

それでは、印刷会社における環境問題の取り組みをご紹介しましょう!

FSC® CoC認証

適切な管理がされている森林から産出された木材資源を、確実に流通・販売することで
資源供給を維持しつつ、森林を守ることが目的です。

FSC®マークをご存知ですか?冊子や食品の紙パックに印刷されているマークです。
FSC®認証とは、持続可能な森林資源で伐採された木材を消費者に届けるための仕組みです。貴重な森林資源を未来まで持続させることを目的としています。
深刻化している森林減少問題について、森林の木材を使いながら森を守るために、認証制度の必要性が検討され、26カ国の環境NGO・林業者・林産物取引企業・先住民団体などが中心となって設立されたのがFSC®(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)です。
FSC®には森林の管理を認証する「FM(Forest Management:森林管理)認証」と認証された森林から産出された木材の適切な加工・流通を管理する「CoC (Chain of Custody: 加工流通過程の管理)認証」があり、認証材以外のものが混入しないよう、各加工、流通工程で適切に管理された製品に、その証としてロゴマークがつけられます。木材を使いながら森を守るために、FSC®マークの一番下には数字があります。 これは何を表しているかというと、FSC®認証のライセンス番号です。FSC®のWebサイトの認証取得者検索画面でライセンス番号を入力すると、その認証取得者の名前や、いつ認証を取得したかなどの情報が出てきます。

なるほど!こちらのマークがついている製品は未来の森林資源を守ることにつながるのですね。また、どこで製品が作られたのか分かり、持続可能な環境で管理されて製造された製品という事なのですね。

Non-VOC インキ

石油系の揮発性有機化合物(VOC)を含まないインキ

VOCとはVolatile Organic Compoundsの略語です。沸点が低く常温でも空気中に揮発しやすい有機化合物の総称で、印刷溶剤に含まれるトルエンなどがあげられます。
「Non-VOCインキ」とは、インキ面から人体や自然環境に有害となるVOC(揮発性有機化合物)が発生せず、製造工程においてもVOC含有量1%未満を基準としています。植物油インキよりもさらに進んだ環境にやさしいインキです。また、該当インキで印刷した印刷物にはマークの添付が可能です。こちらは統一したマークは無く、メーカー各社が独自のマークを作っています。

LED-UV印刷

UV印刷とは、紫外線を照射することで硬化するUVインキを使った印刷方式です。LED-UVの電力量は約7kW/hで、光源にLEDを使用する事で、従来のUV乾燥装置と比較し、消費電力が70~80% 少なくなります。
当社所有の菊全判およびA全判カラー印刷機には全て、「高性能LED-UV乾燥システム」を搭載。一般的な油性インキの使用時に散布するパウダーが不要になったことで、紙面上のザラツキやボタ落ちといった不良の発生も防ぎます。刷り本の擦れや排紙部分での裏写り防止にも効果を発揮し、インキの使用量が多い写真集やカタログなどの印刷に最適です。また、当社で使用するLED-UV用のインキは先ほど説明したNon-VOC対応のインキで、環境に配慮されたものとなっています。

LED-UV印刷は、環境にも優しく、品質も安定するのですね!

GPマーク

印刷資材、製造工程、印刷会社の取組全てが、環境に配慮されていることを示すマークです。
グラフィックガーデンはグリーンプリンティング認定工場オフセット印刷部門認定工場です。

印刷産業界の環境自主基準に基づくグリーンプリンティング(GP)認定制度には、「GP工場認定制度」「GP資機材認定制度」「GP製品認定制度」の3つの制度があります。
 GPマークは、GP製品認定制度でGP認定工場が製造し、用紙、インキ、製本・表面加工方法等が環境配慮基準を満たした印刷製品に付与できる環境マークです。
従来の印刷製品の環境マークが、紙やインキ、または製造工程の一部を対象にしたものに対し、GPマークは資材から工程までの総合的環境配慮マークです。GPマークの表示には、製造の要件として製造工程の環境配慮(GP認定工場による製造)と、資材の要件として印刷資材の環境配慮(グリーン基準適合資材の使用)が必要です。オフセット印刷製品に使用される印刷資材の環境配慮については、日印産連グリーン基準によって細かく決められています。印刷製品に使用する資材が全て本基準に適合することが、GPマーク表示の条件となります。平成21年10月1日からGPマークがスター(星)付きの3種類になっています。スターの数が増えるほど、環境配慮の度合いが高いことを示しています。

GPマークの表示は、SDGsの「目標12:持続可能な生産消費形態を確保する」に貢献しているのですね。ちなみに、GPマークはGとPを組み合わせ、それと同時に印刷の「印」の文字を連想できるデザインになっています。それを聞いてから、双葉のマークではなく、もう「印」の文字にしか見えなくなりました……。

残紙

印刷で残った紙は一定期間保管してテスト印刷に再利用していますが、時間が経つと湿気を吸収してしまい、紙がたわんでしまいます。印刷に使用できないものは、リサイクルに出しています。また、梱包して発送時の緩衝材にしたり、保育園や小学校のお子さんに差し上げたりもします。用紙の値段も上がっていますし、リサイクルは必須ですよね。

残紙のリサイクルについて、もう少しSDGsに関連するアイディアを出して行きたいですね。メモ用紙やノートを作ったり、子どもたちとお絵かき大会をして、展示したりも良いですね……。

PUR製本

PUR製本……PURとはPoly Urethane Reactive Hot-melt Adhesiveの略でポリウレタン系ホットメルト接着剤のことを指します。(読み方:ポリウレタン・リアクティブ・ホットメルト・アドゥヒーシブ)
PUR製本とは耐熱性に優れていて、従来の糊より強度が強いためページが開きやすいのが特徴です。皆さんはこんな経験はありませんか?
料理を作る時にキッチンで本を広げて手順を確認したいのに閉じられてしまう。(今はスマホで料理手順を見る時代なんて言わないで……)ピアノや楽器演奏の時に開きが悪くて中央にかいてある音符が見えない。
コピー機で本を印刷する時に中央の部分が暗くなって上手くコピーが取れない。手帳など書き込む時に上手く記入が出来ない。
皆さん、ひとつでも当てはまりましたか?全部の悩みを解決してくれるのがPUR製本です。
見開きのページも綺麗に印刷出来ます。
子供に読み聞かせる絵本や写真集や図鑑などに最適!!
あと、環境にも優しいのです。
本の背を切断せずにリサイクルできます。PUR製本は、日本印刷産業連合会の古紙リサイクル適性ランクリストで最高のAランクに分類されています。リサイクル用紙と合わせて、リサイクル適正の高い書籍を作りたい場合に適しています。

エコ製品

バイオマス素材の袋、ペットボトルのキャップを再利用した袋……。エコ製品のリユース・リサイクルで、二酸化炭素の排出量を抑えれば、地球温暖化の抑制に繋がります!サスティナブルなエコのカタチをご紹介致します。

地球温暖化は、私たちの生産活動による「温室効果ガス」の排出が、主な原因と考えられています。温室効果ガスの中でも「二酸化炭素」が最も割合が高いそうです。
地球温暖化の大きな原因の一つは、プラスチック製品の焼却処分やエネルギーとしての石油の燃焼などにより、大量の二酸化炭素が大気中に排出され続けていることだと考えられています。
日本では、脱炭素社会の実現に向けて、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」ということが政府によって宣言されました。どうすれば、この問題を解決できるか近年のレジ袋有料化問題を背景に考えてみましょう。

2020年7月からのスーパーやコンビニでのレジ袋が有料化となりました。プラスチック製買物袋を有料化することにより、過剰な使用を抑制していくことが目的ですが、環境性能が認められ、その旨の表示がある以下3点は対象外となります。

① 「プラスチックのフィルムの厚さが50マイクロメートル以上のもの」
繰り返し使用が可能な為、プラスチック製買物袋の過剰な使用抑制につながり、対象外になります。繰り返し使用を推奨する旨の記載若しくは記号がついたものになります。

② 「海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のもの」
海洋生分解性プラスチックとは“微生物によって分解され自然に還るプラスチック”のことです。海洋生分解性プラスチックの配合率が100%であることが第三者により認定又は認証されたことを示す記載又は記号がついたものになります。

③ 「バイオマス素材の配合率が25%以上のもの」
バイオマスとは、「動植物から生まれた、再生可能な有機資源」です。バイオマスプラスチックは、トウモロコシやサトウキビなど、植物由来の原料を利用して作られています。バイオマスプラスチックを燃やす時に、二酸化炭素が出ますが、それはバイオマスプラチックの原料である植物が育つときに光合成で吸収された二酸化炭素であるため、大気中の二酸化炭素の増減に影響を与えません。
この考え方は「カーボンニュートラル」と呼ばれ、プラスチック製買物袋のプラスチックの重量の25%以上を占めるものについては、「カーボンニュートラルな素材」となり、地球温暖化対策につながります。

便利で丈夫な石油由来の製品を使い、不要になったら処分する行為を繰り返す事で、大気中の二酸化炭素は増え続け、地球に負担をかけることで地球温暖化を加速させしまいます。紙袋やバイオマスプラスチック製のレジ袋など、自然由来の原料からつくられた製品を焼却処分せずにリユースし続けることが出来れば、二酸化炭素の排出量はゼロとなり、二酸化炭素の吸収量が排出量を上回ることで、加速化する地球温暖化にブレーキをかけることになります。
石油由来の製品をリサイクル・リユースせずにゴミとして海などに放出されると、そのまま溜まり続けてしまうのです。プラスチックが海に流れると、海が汚くなるだけでなく、海の生き物やそれを食べる人間などにもさまざまな影響を与えます。

海の生き物が、プラスチックごみを食べ物と勘違いして飲み込む事象が発生しています。プラスチックごみは海の波などで削られ、5ミリ以下になったものは「マイクロプラスチック」と呼ばれています。そのマイクロプラスチックが魚や鳥の体内から見つかっているのです。

人間が、プラスチックを体内に取り込んだ魚や鳥を食べることで、体の中にもプラスチックが知らないうちに蓄積されていくのです。さらに、海に関わる漁業や観光業の仕事をしている人たちにも影響が出てしまいます。

子どもの小学校で配られたエコ新聞にもマイクロプラスチックの記事は載っていました……。将来お寿司が食べられなくなるかも!という内容にはショックでした……。子どもは海の生き物が大好きなので、その話をした後はリサイクル・リユースという言葉をよく使うようになりました……!

プラスチック袋をまったく使用しないということは出来ないですし、リユース・リサイクルで賢く使用していく、バイオマス素材の袋への転換を進めていきたいですね……。

グループ会社の(株)リングストン様が製造している環境対策素材、「ECOポリング袋」をご紹介します。私はグループ会社見学で初めて知ったのですが、廃棄される卵の殻、お米やお茶の葉を使用して作成された「バイオマスフィルム」を使用しており、石油資源の消費抑制となります。生物由来の資源を利用している製品に付与できる「バイオマスマーク」が付いています!
ペットボトルのキャップの再利用することで作成した「ボトルキャップバック」という製品もあります。石油資源の消費を抑制する事につながり、キャップ1kgをごみとして消却しない事で地球温暖化となるCO2が約3kg削減されます。

ぜひ、私たちの身近に取り入れて行きたいですね!

次は、SDGs達成に繋がり、健康サポートもできる製品のご紹介です!

抗菌・抗ウイルス加工印刷

印刷物の表面を、抗菌または抗ウイルス性能が認められたニスでコーティングすることで、各製品に抗菌または抗ウイルスの機能を持たせます。ニスのコーティングは同じ印刷工程で製造できます。製品にはSIAAの規定を満たしていることを証明する、「SIAAマーク」を表示することができます。このマークは、国際規格での検査をクリアした「安全」「安心」「衛生的」な製品と認められたものであることを示すものです。

紙面全体をコーティングしますので、印刷面全面が効果範囲となります。複数の人が触れるパンフレットや、食品店舗のメニュー、名刺、抗菌マスクケースなどにお勧めですね!

付録:イルカの折り紙 
折本で作り方もご紹介!

最後に、お楽しみの付録についてご説明です。先ほど、エコ製品の記事で話が出ましたが、今回は「海の生き物:イルカ」の折り紙のデータをアップしておきます!不要となったA4用紙の裏紙にプリントアウトして、カットしてからご使用下さい!折り方は「全8ページの折本」にてご紹介致します。こちらもデータをアップしておきますので、ダウンロードしてご使用下さい。

折本とは、1枚の紙に切り込みを入れ、折り曲げて本の形にする方法です。無線・中綴じ等本来の印刷時は16頁、8頁で折丁を作り、丁合をとって三方断裁(天・地・小口側を断裁する)して仕上げていきますが、8頁折本の場合は、天側一か所に切り込みを入れるだけで、出来てしまう簡単な本です!印刷枚数が片面1枚のみで済みます。両面印刷の場合は、ひっくり返して折直すことでもう8頁追加する事もできます!

幼い頃、雑誌の付録にあった記憶があります……!

この折本の場合、全8ページのものが主流です。SNSで発表した作品をまとめたり、短編作品、少部数の無料配布本などに利用されることがあります。
それでは、折本の作りをご紹介します!

折本の作り方

1.
用紙に図のように、1から8のページ数を設定します。この順番は、折本が完成した際のページ順です。1が表紙、8が裏表紙となります。
用紙が2分の1のサイズになるよう、半分に折ります。

2.
また、半分に折ります。

3.
またまた、半分に折ります。ここで、全体に折り目をつけます。

4.
一旦、2分の1サイズに開いて戻し、1ページ目と6ページ目の天側に切り込みを入れます。

5.
さらに開いて、今度は横長になるように半分におります。

6.
1頁目が表紙になるように、折りたたんで完成です!

いかがでしたか?印刷会社は、限りある資源を使用し、環境問題対策にサスティナブルに関わっている事をご紹介させて頂きました。私たちも、お客様の思いをカタチに、豊かな未来を目標に、仕事を通じて社会貢献しているという意識を持って、企業活動を続けて参ります。
S D G sが私たちに求めているのは、自分も皆も将来にわたって幸せでいられる社会を作るにはどうすればいいのかをそれぞれが考えて、実行する事ですね。ぜひ、事実を自分で調べ、身近な人たちで話し合い、現状を変えるアクションを実行してみてください。未来は破壊するものではありません。たとえ、失敗してもどこが問題になっているか振り返り、その経験を生かし、豊かな未来を創造して行きたいですね。

関連する記事

自慢する

ゴージャスで多彩に。金のカラーバリエーション。

液状であるインキで金色を表現する「金インキ」をご紹介。 印刷物で煌びやかな表現をしたいという方の参考になれば幸いです。

息抜きする

「印刷モノ」をレビューする! 第3回:「永遠も半ばを過ぎて」後編

前回に続き中島らもの『永遠も半ばを過ぎて』をご紹介します。 この作品の刊行当時、実は日本の「本」と「文字」がちょっとした危機にあったのです……。

自慢する

印刷会社の七つ道具!? 印刷部 前編

印刷会社の七つ道具といえばなんだろう……? せっかくなので、弊社の部署ごとに七つ道具を挙げてもらいました。今回は印刷部の七つ道具をみていきます。