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実験する実験する

9月某日、ひょんな事から顔面を強打し、骨折してしまいました。
なんとなく下調べしていたので、「骨折なら手術するんだろうなぁ・・・」「手術といっても日帰りですむよなぁ・・・」と漠然と構えていたら、全身麻酔の手術で5日間の入院が必要と説明され、ビックリ!
主治医からの説明の中で、「顔の手術ですので、術後は腫れます」と言われた瞬間、腫れるということは「顔色が変わるはず!」と思い、調べてみることにしました。

この物語は、ある顔面の怪我で変化する顔色を調査したお気楽会社員の記録である。

※【閲覧注意】
この先、手術後の腫れた顔の画像があります。気にされる方はご注意ください。

「偶然は、準備のない者には微笑まない」(ルイ・パスツール)

偶然なのか必然なのかはさておき…

常日頃から他人や自分の顔色を気にして生活しているお気楽会社員の私にとって、今回の調査はある意味で天命だったのではないかと思えたわけですが、正直に言うと患部が痛くてそんな冷静に考えていたわけではありません。
8月は世間の波にのって流行り病に罹ってしまった上での今回の入院なので、上司の目も厳しく、何か置き土産の一つでも残さないとデスクがなくなってしまうのではという恐怖と不安から生まれた企画です。
今回の事故が偶然だったのか、それとも必然だったのかはさておき、パスツール博士が言うように準備のない者に微笑まないとするなら、私が準備していた物、それは前回の記事でも紹介したiPhoneアプリ「DIC DIGITAL COLOR GUIDE」(以下DDCG)に他ならないはず。
今回もこのDDCGを使って、手術後の顔色の変化を測っていきたいと思います。
今回のルール
●病棟内の談話スペースで自撮り
●朝食後に撮影する
●計測する箇所は患部近くの左目下部分

1日目

9月●日(月) 晴れ

手術に向けて前乗り、ということで入院初日。
事故から6日ほど経っているので、だいぶ目の充血は治まってきているため、通常と変わらない感じではありましたが、改めて見ると少し緊張気味の表情。
初めての手術と入院ということで、不安だったのでしょう。また、入院前に抗体検査で鼻の奥をグリグリされたりしていたので、ややお疲れ気味だったのかもしれません。

3日目

9月●日(水) 晴れ(腫れ)

前日の2日目は朝9時から手術ということでバタバタしており、お昼前にベッドに戻ってきた後も点滴が繋がった状態で、トイレ以外は移動が出来なかったため撮影出来ず。出来たとしてもガーゼで覆われていたので、顔色計測は難しかったと思います。
そんなわけで手術翌日の3日目。
まだ手術の傷跡が生々しい感じです。自分自身の画像とはいえ、卒倒しそうです。実際にこの時点では「本当にこれで良くなるのかなぁ」とかなり不安でした。

4日目

9月●日(木) 晴れ(腫れ)

手術の傷跡の生々しさはなくなり、ボクシングの試合の後のように腫れ上がってきた感じになりました。
家族に自撮り写真を送ったら、「だいぶよくなってきたね」と好反応。翌日での退院も正式に決まり、無事に家に帰れると安堵していました。
特に内臓系の疾患とかでは無かったので、毎食しっかりとした物が出されていたのと、院内をフリーで歩き回れたので、ちょこちょこと売店でコーヒーとか買っていたため、飲食に関する不満は無かったのですが、この頃になると風呂に入れないことでの不快感が強くなってきました。髭も剃れていないし、特に「頭洗いてぇ~」って感じでしたね。

5日目

9月●日(金) 晴れ

退院当日。髭も剃りました。体を拭こうと看護師さんに濡れタオルをお願いしたら、シャワー使ってもいいよと言われ、数日ぶりに体も洗えてサッパリです。
患部の腫れも引いてきて、赤みから黄色くくすんだに変わってきた感じになりました。
早く家に帰りたいと思いつつも、わずか5日間でしたが色々と親身になって世話をしてくれた看護師さん達とお別れするのは少し寂しい気持ちにもなりました。
とはいえ、頭の中は「昼飯は何食べよう、味の濃いやつがいいなぁ」「あぁ、酒飲みてぇ~」とそんなことばかり考えながら帰宅しました。

測定結果

ついに入院中の顔色が判明

前回の調査で、私の顔色は【DIC N961】(朱華)という結果になりました。色の系統としては「くすんだ黄赤」です。
そして今回の入院中4日間の顔色をまとめたものが下の表となります。

前回と今回とでは計測した位置が違う上に光源も異なるため、単純に比較は出来ないので、手術前と手術後での変化を見てみましょう。

青インキの「C値」は52%から4日目には67%まで上がりましたが、退院時には47%まで下がりました。
赤インキの「M値」は77%から始まり、終始80%台だったので、赤みは終始強かったようです。
黄インキの「Y値」は全体的に高く、5日目には100%という状態でした。
そして黒インキの「Bk値」ですが、今まで0%だったのに退院のタイミングで26%となりました。
傾向としては手術後にMとYが上がり、いわゆる赤く腫れたような状態になりましたが、退院の頃には手術前に近い数値に戻った感じです。ただ濁った黒っぽさが残り、青あざのような状態になっていったという感じでしょうか。

気になることとしては色の系統です。前回は「くすんだ」系だったのが、今回は「暗い」系になっていました。「くすむ」とか「暗い」とかネガティブな系統ではなく、キン肉マンのフェイスフラッシュみたいに明るい顔色にはならないものかと本気で悩んでしまいます。

さてさて、今回の怪我した経験を振り返ってみると、24時間お世話してくれた看護師さんやドクターといった医療従事者の皆さんの大切さがとてもよく分かりました。
私が入院した病棟は比較的高齢の患者さんが多かったです。それもあってか、超若手がやってきた的な感じで、点滴一つとっても「若いから血管が元気で入りが早い」とか手術用(の20ゲージ針)だから太くて立派など、よくわからない医療ネタでチヤホヤされていました。会社でも自宅でもジジイ扱いされていた身としては、なんだか気恥ずかしかったです。
また、寂しさを紛らわすために術後の経過画像を送ると「グロい」「飯がまずくなる」と塩レスしか返さない家族も退院したら、「おかえり」「全然傷口わからないね」と言ってくれたのも嬉しかったです。
改めて人の優しさを感じられ、本当に感謝でしかないです。ありがとうございました!

それにしてもこの顔色企画はなぜか2回とも医療関係と話し繋がってしまうのはどうしてなんだろう。。。
ちなみに退院直後の昼飯は、たこ焼きとナポリタンスパゲッティにしたことはここだけのお話し。

前回の記事はこちら

参照

DICグラフィックス株式会社 DICデジタルカラーガイド
https://www.dic-graphics.co.jp/products/dcguide/

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