
七つ道具といえば、何かを行ううえで必須になる七つで一そろいの道具のこと。大工さんの七つ道具、選挙の七つ道具、盗賊の七つ道具……巷でもいろいろ目にしますが、印刷会社の七つ道具があるとしたら?
そこで、今回は弊社の現場で働く社員に「印刷会社の七つ道具」を選んでもらいました。実際に現場で使われている道具を見ていきながら、印刷会社の空気に触れていただければ幸いです。
せっかくなので
さっそく道具のご紹介に移りたいところですが、今回選ぶのは「印刷会社全体の七つ道具」というわけではありません。というのも、弊社はデザインを含むデータ作成からできあがった印刷物の発送・保管までをワンストップで行う印刷会社。部署ごとに業務内容も雰囲気も大きく異なるので、当然扱う道具も変わってくる……ということで、せっかくなので部署ごとに七つ道具を選んでいきます!
今回は印刷部の七つ道具を見ていきましょう。ザ・印刷会社な部署なので、印刷会社らしさにあふれているに違いありません。それでは、ここからはインタビュー形式でお届けします。
今回は印刷部の七つ道具!
インタビュアー(以下「イ」):さて、今回は弊社印刷部のお三方にご協力いただきました。本日はどうぞよろしくお願いします。
印刷部員A・B・C(以下「A」「B」「C」):よろしくお願いします!

イ:それでは、道具を一つずつご紹介お願いします!
A:はい。印刷部の七つ道具、一つ目は……

A:ルーペです。見当合わせに必須ですね。見当合わせというのは、CMYK各色の版の位置を合わせることをいいます。各色版の位置がぴったりそろっていないと、絵柄の輪郭がブレて全体的にぼやけたような絵柄ができてしまいます。いわゆる見当ずれ・版ずれという現象ですね。

B:あとレンズの拡大倍率にいくつか種類があって、カラーだと50倍か25倍、モノクロの場合は15倍のルーペを使っています。
イ:これは一人一つ必ず持っているものですか?
A:そうですね。印刷部の人間なら必携の道具です!
C:余談ですけど、ルーペって使う人ごとに若干使用感が出たりしません? 他の人のルーペだと何か癖があるような、自分のとはちょっと見え方が違うというか……
A:それは故障しているんじゃないかな(笑)。新しいものをちゃんと使いましょう。あと気をつけないといけないのは、ルーペで見えるものは逆像で、実際に見ているものとは上下左右が逆に映っている、ということです。
二つ目は……?
イ:それでは二つ目の道具は……?

A:ライトです。機械が入っているフロアはあまり照明をガンガンにたくわけではないので、細かい作業をするときにちょっと明かりが欲しくなるんですよ。
C:刷り上がったものの品質検査をするときとか、機械のメンテナンスのときとかによく使っていますね。特に機械のメンテには必須かな。機械の構造上どうしても照明の光が差さないところがあるので、そういったところでも正確に作業をするにはライトがないと難しいですね。
B:品質検査でもメンテでも、作業中に気になることがあればライトで照らして確認、という感じです。これも一人一つは持っていると思いますよ。
A:機械のメンテナンスのときには、マグネット式のタイプのものを使用することもあるね。ライトをどこかにくっつけておけば両手で作業できますから。
三つ目は……?
イ:どんどん行きましょう。三つ目をお願いします!
A:三つ目は……カッターですかね。

A:これは紙屋さんから買った用紙を開封するときに使います。
B:用紙って当然はだかのままで届くわけではなくて、ちゃんと包装されてくるわけです。その包装紙を切って中身を出さないといけないんですけど、これはカッターを使って手作業でやっています。
C:紙はだいたい100~250枚単位で包装されて届くので、一日でも結構な数の封を切らないといけません。だからこれは今回の道具のなかでもかなり使用頻度は高いほうだと思います。用紙を開封して所定の位置に積む作業のことを「紙積み」というんですけど、紙積み担当の方のカッターは刃をかなりこまめに交換していますね。
B:新入社員に現場体験をしてもらうときは、この「紙積み」の作業を手伝ってもらうことが多いかな。やることはシンプルだけどとにかく量が多いので、手伝ってもらうにはちょうどいい作業かもしれません。
A:ちなみにこのカッター、ちょっと特殊な仕様でして……

A:わざとこれ以上刃が出ないようにできています。普通のカッターだと刃を出しすぎて包装紙と一緒に中の用紙まで切ってしまうトラブルがあったりするんですが、これなら安心です。
イ:営業でも検品の際に製品の梱包を開けるときに神経を使いながら開けたりしていますから、これがあると助かりそう……!
B:ただちょっとお高いんですよね……1本700円ぐらいします。
四つ目は……?
A:四つ目は……ここにきてちょっと苦しくなってきたな……?
イ:そこをなんとか……
B:うーん、しいて言うならメジャーですかね。

C:お仕事によっては、印刷の絵柄が入る位置をmm単位できっちり指定して作業するケースもあります。「この絵柄は用紙の地から○○mm、天から○○mmのところに入れてください」とかね。
B:そういった場合は、刷り上がったら絵柄の位置を実際にメジャーで測って確認するんです。
イ:なるほど、ありがとうございます!
……
続きはまた次回!
七つ道具のうち四つ目まで埋まりましたね。残りの三つは後編にてご紹介します。ここから奇想天外な道具が飛び出してくるのか、それとも案外身近な道具が並んでいくのか……? 残りの三つがどんな道具なのか、みなさんも予想してみてくださいね!