10.役割分担を決める
更新日 2025/01/15
ハイブリッド配信では、会場で進行するイベントと配信イベントが同時に併走して行われるイメージです。どちらかが滞るとイベント全体の進行が止まってしまいます。
会場進行と配信は切り分けられないものなので、イベント進行自体についても相談をいただくことがあり、イベント運営のフォローをさせていただくこともあります。
運営視点に立つといかにスムーズな進行ができるかが使命となりますが、経験上一番進行が滞る要因は、実は必要な役割の人員が配置されていないときなのです。
スムーズな進行は適切な役割配置から
スムーズな進行は役割配置や人選にかかっています。主催者・運営側の腕の見せどころということも言えますね。
会場で進行していくイベントでは必要な役割は、受付や誘導、問い合わせ対応など運営の根幹部分だと思いますのでここでは割愛し、ハイブリッド配信に関わる役割に絞って解説します。
イベント規模やプログラムにより不要な役割もあるかもしれませんので必要の可否から検討してみてください。どの役割も大事なポジションです。そして人には向き不向きもありますので担当をお願いする人選もイメージしてみてください。
ハイブリッド配信に関わる役割
会場設営
イベント準備と並行して配信側が行うことは機材を搬入して配信ができるようにシステムを素早くセッティングしていくことです。規模にもよりますが最低約2時間はみておきましょう。その後のリハーサルを行う時間の確保も必要です。
機材の搬入、セッティングそしてリハーサルの時間も考慮して会場を予約しましょう。
登壇者との連絡
講演者が持ち込むPCで講演者がスライド操作を行う場合には、事前にPCの接続チェックを行います。会場のスクリーンと配信側に向けて正しく表示できるか、動画の場合には問題なく再生ができるかのチェックを実際に表示・再生して行います。
講演者がリハーサルに参加できるのが理想的ですが、リハーサルに間に合わないとしても開催前には会場入りをしてもらいPCの接続のチェックは必ず行いましょう。
イベントが始まって途中からの会場入りとなるとPC接続のチェックができず、接続や設定の準備にも意外と時間を取られることが多いです。PC環境の違いやケーブルの抜き差しにより画面が表示されない、資料の体裁の崩れ、動画の音声が聞こえないなどの予期せぬ不具合が起こりやすくなります。
どうしてもギリギリになる場合や開催中に会場入りするなどでチェックができない場合には、データを事前に手に入れてPCとともに用意しておき、そのPCを講演者に操作してもらうことにした方がよいと思います。それも講演者への事前相談と連絡が肝になります。講演者の入りの時間を調整するのみでなく、事前の連絡も必要になることがあるのでとても重要な役割を担うのです。
PC管理・準備
資料用PC、配信用PC、配信チェック用PCなどイベントで必要なPCについて把握をするために、準備・管理の担当者を決めておきましょう。社用PCを使う場合は、自動的にセキュリティロックがかからないようロック機能は解除して汎用的に使えるようにしましょう。
スライド資料管理
登壇者のスライド資料データの収集・確認・管理を行う。直前でのデータの差し替えや修正などが発生することも多く管理にも気を使います。
動画がある場合、配信時にクラウド上のデータを再生すると再生に時間がかかったり予期せぬ不具合が起こったりする可能性があります。データはPCのデスクトップ上に保管してください。
また、スライドの「めくり」を誰が行うかにより機材の準備も変わります。講演者なのか、主催・運営担当者なのか、配信スタッフで担うのかといった場合もあります。
講演者が壇上を動きながらプレゼンをしたい場合はクリッカーが必要でPCはクリッカーが届く位置に配置する必要があります。このようにプレゼンスタイルによっても機材の準備や配置などが変わります。講演者がどのようなスタイルで発表を行うのか(行いたいのか)を事前に聞いて準備をしましょう。
幕間スライド作成
最低限必要なものは、タイトル、休憩、終了スライドです。休憩中に動画を流したいなどの場合はPowerPoint埋め込みにしてページをめくるように再生できると便利です。
問い合せ対応
会場とオンラインで別に設けることが多く、オンライン側では、配信とは別のPCでメールにより対応するほうがイベント中も確認ができるので電話よりも便利です。または配信中の問い合わせはZoomなどの配信プラットフォーム上のチャット機能へ促すことも多いです。この場合はチャット管理担当者を決めておきましょう。
会場照明
会場の照明の操作は意外と忘れがちな役割です。イベントの最初は明るくしてスライドを使う登壇時はスクリーンが見やすいように少し暗くするなど、少しでも操作が必要な場合は担当を決めておきましょう。
操作が少ないときは他の役割と兼任でもよいかと思います。会場スタッフや配信スタッフから人を立てて役割を担うこともあります。
運営責任/タイムキーパー
進行が遅延した場合に時間の調整をどうするかの判断を行ったり、トラブル時の判断や決定の役割を担います。イベント運営責任者が望ましいです。
人を役割に配置し切れない場合には配信会社にサポートを依頼したり、会場スタッフに担ってくれるように依頼することもあります。イベント会社に一式まるっとすべてを依頼することも可能です。まずはそれぞれの役割が必要かどうかの検討をしてみましょう。
イベントに必要な役割チェックシート
このようにイベントと配信の双方の役割が機能して初めてハイブリッド配信イベントが進行します。ここで解説した役割をチェックシートに落とし込んだものを私の方から担当するクライアント様へ配布しています。
このシートにはご紹介した配信に関わる役割のほかに、イベント自体に必要な役割も項目追加しています。
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