6.音響について
更新日 2025/01/15
ハイブリッド配信成功のカギは音響にある
ハイブリッド配信では、音(音響)が命といっても過言ではありません。
オンライン参加では映像が少し荒くてもなんとか視聴できますが、音が聞こえづらければ参加者の離脱に直結します。そういう意味でも音響は配信にとって肝です。
会場で音声が聞こえないというトラブルは絶対に起こすことはできません。
ハウリングがなくクリアに音声が届いているか、登壇者の声・音楽・動画再生時の音量は適正か、全体の音量のバランスは整えられているかなど、実はたくさんの音の調整が必要です。パネルディスカッションの場合は、各出演者の声の大きさも違うものです。そのような時も実は一定の大きさに聞こえるように調整されています。
ハイブリッド配信では、そのような調整を会場とオンラインで個別にコントロールしていきます。会場側と配信側のそれぞれの音をコントロールすることが求められますし、専用のミキサー機器も必要、「音」を管理・調整するPAスタッフも必須の存在です。
用語
PA(ピーエー)スタッフ
コンサートやライブ、舞台、イベントなどでPA(音響設備)を用いて音の調整をするスタッフ及びその職業を指します。PAとはPublic Addressの略。
「良い音」がイベントを成功へと導く
ここでは音を良くするポイントとして主催・運営側の視点で気を付けておくとよいことをいくつか挙げて解説します。
●マイクは口元に
発表者の口とマイクの位置を気にしたことはありますか?マイクでしっかり声を捉えるには、マイクは口の近くに添えることが大事でありそしてマイクの角度もポイント。マイクの指向性が意外と狭いので、音声を拾える範囲の角度に口があるほうがよいです。
私はこのことをハイブリッド配信を担当するまではまったく気にしていませんでした。意識して登壇者を観察してみたら口の位置がマイクの指向性(拾う範囲)から外れている方の多いこと!スタッフさんが陰ながら調整してくれていたのですね。
実際、口とマイクの距離と角度によって音量はかなり違ってきます。マイクから遠い場合は当然聞こえる音も小さくなります。音響ミキサーで音のボリュームを上げるのですが調整しすぎるとノイズが入り聞き取りづらい音声になります。調整するにも限界があるということです。
「口元にマイクを近づけてください」と発表者に促すことや、マイク補助の役割を担うスタッフを配置し常に最適な位置になるようにフォローできるとトラブルを避けられます。
私の経験では、マイクスタンドよりも手持ちの方が口元近くで話していただけるようです。複数の方が順番に登壇する場合、スタンドか手持ちか統一できれば調整もしやすいので決めておくとよいと思います。
スタンドの場合には、背の高さに合わせてスタンドの高さや角度の調整が必要になるのでマイクフォロー係を設けるとよいですね。
●有線とワイヤレスの使い分け
マイクを何本使用するかと、どこにどのマイクを使用するかは事前に決めておくとよいです。
有線のマイクと無線(ワイヤレス)マイクとでは有線マイクのほうが音質はクリアです。
動いて話す場合にはワイヤレスが便利ですが場面を踏まえてどこにどのようなマイクを置くかを決めておきましょう。
ハイブリッド配信成功のカギは音響にあるとも言えます。音の質が悪ければ配信が成功したとは言えません。