
動画市場の拡大は数年前からさまざまなところで語られています。
企業の動画活用は広告、紹介、採用…あらゆる場面で当たり前となっており、市場拡大の情報がその状況にさらに拍車をかけ「なにか動画を使ってPRしなければ」とお考えの企業ご担当者様も多いのではないでしょうか。
それぞれの特徴を把握し、確かなマーケティングツールに
弊社にもおかげさまで多くのクライアント様から映像制作に関するご相談をいただいておりますが、中には「とりあえず動画を作りたい」といった“動画ありき”のご相談も少なくありません。
一口に動画と言っても、種類も用途も多岐に渡ります。単に「動画を作って自社Webサイトに掲載」では、せっかく高い費用(映像制作って結構費用がかかるのです…)をかけて作成した動画がもったいない!
弊社では、それこそ「本当に動画が正しい選択なのか?」というところからお話しさせていただくこともあるのですが、先ずはさまざま種類のある中で、自社がPRしたいサービスやポイント、商品は、一体どのような動画が適しているのか。
今回は映像の表現手法である『実写動画』と『モーショングラフィックス』それぞれの特徴やメリット、デメリットを紹介していきたいと思います。
お時間のない方はまとめだけでも!
実写動画とは
実写動画とは、その名もズバリ「実在するもの」「実際にあるもの」を撮影し使用した動画のことを指します。人物や風景、製品など実際にあるもの、動いているものを撮影し、それを素材として編集していきます。
実際にあるものを使用するので、現場の空気感、ビジュアルをダイレクトに視聴者へ伝えることができます。リアリティや臨場感を表現することにより、信頼性や説得力が上がり、視聴者の共感を得られやすいのが特徴です。
実写に向いているコンテンツは?
実際に見せることで良さが伝わるもの、信頼性を高めたいもの。例えば自社ブランディング用にドラマ仕立てや、ドキュメンタリー的な表現、シネマチックな演出なども可能ですし、採用目的として社長や社員のインタビュー、実際のオフィスの雰囲気、クライアントの生の声などをリアリティを持って伝えることもできます。
また観光地やテーマパーク、アクティビティなど風景や動きを臨場感とともに伝える、飲食や不動産サービスなど実際のものを見せることで説得力が増し、視聴者を比較検討段階から購買アクションへ向かわせる動機付けにもなり得ます。
一方デメリットは?
一方で実在するものを使用するデメリットもあります。
リアリティを見せることによって視聴者のイメージが固定されてしまったり、予期せぬ印象を与えてしまう場合もあります。またロケ地の選定や許可などに時間がかかってしまったり、天候に左右されたりと制作進行が思い通りに進まないことも少なくありません。
撮影したものを素材として使用するため、そこからの修正も困難となります。権利の問題や、登場人物(例えば社員の退職など)で完成動画が使用不可になってしまう可能性もあります。
まとめると…
- 実写動画のメリット
- ビジュアル、空気感をそのまま伝えることができる
- リアリティと臨場感を与えられる
- 信頼性、説得力が上がる
- 共感を得られやすい
- 実写動画のデメリット
- リアルであるが故のイメージの固定化、予期せぬ印象
- 思い通りに進行できない場合がある
- 修正が困難
- 権利などの問題で使用不可になる可能性も
- 実写動画向けコンテンツ
- ブランドムービー
- 採用、インタビュー動画
- 製品紹介
モーショングラフィックスとは
続いてはモーショングラフィックスです。
モーショングラフィックスとは、実写以外のもの全般を指します。イラストやロゴ、テキスト、画像、キャラクターはもちろん。インフォグラフィックス動画、3DCGなども範疇に入ります。
実写では表現できないもの、実在しないもの、またそのままでは上手く伝わらないものを効果的に表現することが可能です。
モーショングラフィックスに向いているコンテンツは?
表現の仕方はある意味自由ですので、形のないサービス、例えばシステム関連や法律関係、コンサルティングなどの紹介に向いています。また抽象的なもの、概念やロジックなどを視覚的に訴える形で表現することもできますし、統計など数字や時間などそのままでは伝わりづらい(飽きてしまう)ものをグラフィック化して伝わりやすくすることも可能です。さらに実写では撮影不可能な複雑な製品構造や機器の内部などを拡大してみせたり、分かりづらいマニュアルを図解やインフォグラフィックで平易な表現に変えることもできます。
一方デメリットは?
形のないもの、実在しないものを表現するので関係者全員のイメージのすり合わせに注意が必要です。またリアルな美しさや空気感、臨場感(観光地の景観やアクティビティなど)を伝えるのは実写には敵いません。抽象的な表現で幅広いターゲット層向きである一方で、視聴者が感情移入しにくい、共感を持たせるのも苦手です。
ちなみに…
モーショングラフィックスは「アニメーション」と呼ばれることもあります。むしろこちらの方が馴染みあると思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
Webで検索してみても定義はさまざま語られており確定的なものはないと言ってしまっても差し支えないほどです。
デジタル大辞泉で調べてみると、
アニメーション:絵や人形などを少しずつ位置・形をずらして一コマずつ撮影し、映写すると動いているように見える映画。動画。アニメ。
モーション:動作。身ぶり。動き。
グラフィック:写真や絵を用いて視覚に訴えるさま。また、写真や図版を主体にした印刷物。
とあります。
モーションとグラフィックで「視覚に訴える写真や絵、図版を主体にした動きのあるもの」といった具合でしょうか。アニメーションとモーショングラフィックス、なかなか明確な違いを説明するのが難しく定義がまちまちなのも頷けます。
デメリットのところでも述べましたが、モーショングラフィックスは実写以上にイメージのすり合わせに注意が必要です。
弊社では「アニメーション」とは某ジ〇リや藤〇不〇雄アニメのようなもの(これであれば誰でもイメージ付きますよね!?)を指すこと。とメンバー間で決めています。
このような「アニメーション」になると制作スタッフもシナリオライターやアニメーターなどまた別の座組となり、また費用やスケジュール感も格段に変わってきますので、クライアント様から「アニメーションで」と言われた際は、しっかりと違いを説明しモーショングラフィックスの呼称で統一、イメージの共有を図っています。
さらにさらに…
弊社ではマンガ動画の制作も請け負っております。これは…モーショングラフィックス、アニメーション…どちらに分類されるのか微妙ですよね。。
いや、これは「マンガ動画」なんです。
マンガ動画についてはこちらの記事とLPを参照ください。
まとめると…
- モーショングラフィックスのメリット
- 抽象的なものの表現が可能(ロジックや概念など)
- 統計や経過など数字や時間を分かりやすく、飽きさせない
- 実写では不可能な表現が可能(複雑な製品や機器の内部など)
- 幅広いターゲット層向け
- モーショングラフィックスのデメリット
- イメージのすり合わせに注意(形のないものなので)
- リアルの美しさや空気感、臨場感を伝えるのは不向き
- 共感しにくい(視聴者が感情移入しにくい→幅広いターゲット層と反比例)
- モーショングラフィックス向けコンテンツ
- 形のないサービス紹介(システム関連、法律関連、コンサルティングなど)
- 概念や統計説明
- フロー、構造解説(製品や機器内部構造)
- マニュアル(図解やインフォグラフィック)
最後に
いかがでしたでしょうか。弊社の考える実写とモーショングラフィックスそれぞれの特徴。もちろんどちらか一方を必ず選ばなければいけないわけではなく、双方の良いところを組み合わせた動画も世の中にはたくさんあります。
大切なのは「そのコンテンツの何を伝えたいのか。」を明確にすること。まずはそこからがスタートだと思います。私たちは「そのために最も効果的な表現は何か。」を考え、皆様をサポートしていければと考えております。
【これからのイベントは↓↓↓】
-
前の記事
マンガ動画のつくり方 vol.2
-
次の記事