
もはや”誰もが知っている”と言ってしまって良いでしょう動画プラットフォームの『Youtube』。
Think with Googleのレポートでは、日本の月間利用者数は18歳~64歳で6,500万人以上と報告されています。
世界でも利用者数がGoogleに次いで2位と言われているYoutube。近年右肩上がりの動画市場をみても、自社商品・サービスのPRにYoutube広告を検討する企業は今後ますます増えてくるのではないでしょうか。
すでにYoutube広告を検討していて情報収集段階という読者の方もいらっしゃるかと思います。
今回はそんなYoutube広告に注目し、利用者の動向から広告の種類、効果的な広告動画のポイントを紹介していきたいと思います。
テレビ画面でYoutube
先ほどご紹介したThink with GoogleのレポートではYoutubeをテレビ画面で視聴する利用者が前年比で2倍以上増加しているそうです。
このことは10/27、実に3年ぶりにリアル開催された『YouTube BrandCast 2022』でも、
「コネクテッドテレビでの視聴による共視聴の増加」として挙げられ、
国内ではコネクテッドテレビでの YouTube 視聴者は 3,500 万人以上となり、
テレビ画面で視聴する人の58%は家族、友人など誰かと一緒に視聴。さらに子どもがいる場合は78%が家族と共に視聴していると紹介されました。
これはスマホやタブレットなどパーソナルなデバイスによる”個”の視聴ではなく、家族や友人、パートナーと複数人でYoutubeを視聴するケースが増えているとも考えられ、近年ではテレビCMをYoutube広告として流す企業も多くみられます。
テレビ画面での視聴増加で、これまで以上に多様なユーザーへ広告を届けることができ、さらには”個”だけでなく”集団・共同体”へ向けたPRも可能となります。
みんなが「ほぼ毎日」見ている
デジタルマーケティングマガジン『マナミナ』を運営している株式会社ヴァリューズの調査では、利用者の割合は男性90.4%、女性86.6%で、世代別の調査では20代から60代以上のすべての世代で「ほぼ毎日見ている」が1位という結果が出ています。
広告の種類と特徴
ここまでYoutubeがどれだけユーザーに利用されているかを紹介してきましたが、そんなYoutubeに配信できる広告にはどんなものがあるのでしょうか?
2022年10月現在Youtube広告は以下の6種類があります。
- インストリーム広告
- インフィード広告
- バンパー広告
- アウトストリーム広告
- マストヘッド広告
オーバレイ広告←2023年4月6日に廃止を発表
一つずつ、その特徴を見ていきましょう。
インストリーム広告
再生開始時、再生中、動画終了時に配信される広告です。
スキップ可・不可を選択することができます。
スキップ可:
ユーザーは配信開始から5秒後にスキップすることができます。30秒以上視聴された場合に課金となります。
スキップ不可:
ユーザーはスキップができないので、広告を最後まで視聴してもらうことができます。ただし15秒以下という尺の制限があります。スキップ可と異なり、配信された時点で視聴秒数に関わらず課金となります。
インフィード広告
以前はディスカバリー広告と呼ばれていました。Youtube右側の関連動画欄、検索結果一覧に表示される広告で、サムネイルとテキストで構成されています。ユーザーがクリックすることで広告動画が配信されます。その点ではより興味を持っているユーザーへ広告を配信することができます。
課金形態はクリックした時点となります。
バンパー広告
6秒間でスキップ不可の広告です。配信場所はインストリーム広告同様、再生開始時、再生中、動画終了時となります。ユーザーはスキップができないため配信された時点での課金となります。
アウトストリーム広告
Youtube以外の認定されたWebサイト、アプリで配信されるモバイルに特化した広告です。モバイルでの配信のため、音声がミュートで配信されるという特徴があります(タップで解除可能)。課金形態はvCPM(viewable Cost Per Mille)というのもので「実際にユーザーが閲覧可能だった状態」で1秒以上表示されると課金となります。「実際にユーザーが閲覧可能だった状態」とは、Googleでは「広告の50%以上のピクセルが画面に1秒以上露出」した状態と定義しています。
マストヘッド広告
Youtubeのトップページに配信される広告です。他の広告がオークション制なのとは異なり、配信する”枠”を予約する広告で、Googleの営業を通じて配信予約をする必要があります。広告が配信された時点での課金となります。
オーバーレイ広告
再生画面の下部に表示される広告で、他の広告と違いバナーもしくはテキストの静止画での配信で、PCでの視聴に特化されています。広告が表示された時点での課金となります。
※2023年3月10日追記
Googleは「オーバーレイ広告は、前時代的な広告形式で、視聴者にとって体験を損なうものだった」とし、2023年4月6日にオーバーレイ広告を廃止すると発表しました。
廃止による影響は「多くの動画投稿者にとって限定的」としている。
課金形態を下記へまとめました。
- インストリーム広告 スキップ可
- 30秒以上視聴視聴されると課金(CPV)
- インストリーム広告 スキップ不可
- 配信された時点で課金(CPM)
- インフィード広告
- クリックされたら課金(CPC)
- バンパー広告
- 配信された時点で課金(CPM)
- アウトストリーム広告
- 広告の50%以上が画面に1秒以上表示される度に発生(vCPM)
- マストヘッド広告
- 配信された時点で課金(CPM)
オーバーレイ広告配信された時点で課金(CPM)
どのような動画を作成するべきか
初めの5秒に伝えたいことを
PRの対象や予算によって、どの広告を選択するかは変わってきますが、どの広告に配信するとしても言えることは、初めの5秒でユーザーを掴む動画を作成することです。
商品の認知であれば、初めの5秒に商品名・パッケージを。
サービス紹介などさらに興味を惹かせ次の行動(動画の続きを視聴、クリックなど)を促したいのであれば、
初めの5秒に印象的なビジュアル、インパクトあるキャッチ、気になる質問…などを。
初めの5秒。冒頭5秒にユーザーへ一番伝えたいことを挿入する。
Youtube広告用動画では、これが最も重要になってきます。
尺(長さ)30秒以上がお得!?
バンパー広告(6秒)、インストリーム広告 スキップ不可(15秒)は尺の制限がありますので、それぞれの尺に合わせた構成を練りましょう。
その他の広告に関しては、最長6分までの動画を流すことができますが、Googleは12秒~3分以下の尺を推奨しています。インストリーム広告 スキップ可では30秒以上の視聴で課金となりますが、30秒未満の動画に関しては視聴が完了した時点で課金されてしまいます。さらに以前の記事で紹介した様々なメディア別の最適な尺の調査で、Youtubeは2分という結果が出ています。
以上を踏まえると、30秒以上2分以内での作成がYoutube広告には最も適していると言えるでしょう。
耳への情報伝達も
最後に重要なのがナレーションの挿入です。
先に紹介した『マナミナ』を運営している株式会社ヴァリューズでは、Youtubeをはじめテレビや各種SNSなど媒体別の利用目的を調査した結果、別のことをしながらとりあえず流しておくいわゆる「ながら視聴」がYoutubeは26%でテレビの15.9%を大きく上回る結果となっています。
ながら視聴では広告をスキップされる可能性は低いですが、肝心の広告動画をユーザーは”見ていない”状態です。そのため広告動画ではナレーションを挿入し、ながら視聴のユーザーにも確実に届くよう耳への情報伝達も重要となってきます。
まとめると
- 初めの5秒に一番伝えたいことを
- 尺(長さ)は30秒~2分以内でコンテンツに応じて検討
- ナレーションはマスト
Youtube広告をご検討の皆さまは、以上の3つを念頭に広告動画を作成するとより一層の効果が期待できると思います。
デジタルマーケティング支援サービス等を提供している株式会社ニュートラルワークスでは、『Google YouTube広告とは?種類や配信のコツなどを解説!』という記事で、YouTube広告の配信を効果的に行うためのコツを解説していますので、参考にしてみてください。
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