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講師のプレゼンスタイルについて
更新日 2025/02/18
人前で話すとき緊張する派?高揚する派?
オンライン配信よりハイブリッド配信の方が、登壇者の身振りやしぐさは大きくなる傾向になります。
それはやはり、会場にいる参加者の前でプレゼンを行う、ということが大きいかもしれません。
登壇者が人間である以上、気分が上がれば歩き出したいこともあるかもしれませんし、緊張すれば決めていた位置ではないところに立って話はじめてしまうことだってあります。
気分の高揚や緊張、その場のノリなどによって、段取りとは違う展開になってしまうことがあるのは、会場に参加者がいるからこそ起こることなのです。それはリアルの良さでもあるわけです。
思い通りにいかないことはあるものだ
配信イベントを運営する視点で考えてみますと段取り通りに必ずしもならない可能性がある、ということでもあります。身振り手振り程度のことでしたら影響はあまりありませんが、演台でとどまってくれるのか、動いてしまうのかは大きな問題です。
例えば演台をとらえるためのカメラは定点固定(カメラマンはいない)とした場合、もし登壇者がスクリーン前で説明をしたり、演台から少し移動しながら話し始めたら冷や汗ものです。カメラのアングルは動かないので配信している画面から登壇者は消えてしまいます。(フレームアウトなどと言います)
実際そういうことがあったので思い出すとどきどきしてしまいます。
(その時は技術スタッフが走って何とか操作してもらい捉えることができました)
そのほかもドキッとするヒヤリ事例を2つご紹介します。
case 1
段取りで決めていた立ち位置ではなく、少し横にずれた場所で講演が始まってしまいました。
スポット照明もずれてしまい少し暗い。
カメラマンがついていた案件でしたので、アングルと露出をすぐに調整して対応できました。
(ですが無理やり明るくしているので画質は荒くなってしまいました)
case2
45名のパネルディスカッション。カメラから捉えるお顔の前にマイクスタンドがちょうど被るアングルになってしまった。着座スタイルのため人物の位置はほぼ固定。お客様からの指摘はなかったけれども、もう少しよいアングルがあったはずと悔やまれる。
このケースでは、リハーサルが行えなかったこと、そのためパネリストの位置があいまいでカメラアングルが定められなかったこと、また、カメラを置くスペースに制限があったことなどが要因として挙げられます。
カメラマンがついていても防げないこともありますが、この要因中でひとつでもよい方向に改善ができていれば品質はよくなります。
プレゼンスタイルとは
段取りをしっかりしていてもなにかしら想定外のことが起こるものです。それでもとにかく講演が滞りなくいけばそのイベントの成功率は80点確保です。
そのためにできれば講師のプレゼンスタイルを想定できていると格段にスムーズにいきます。
プレゼンスタイルとは、講師の話す型、もしくは様式と言い換えられます。
立ち位置や動きの癖だけではなく、その方がちゃんと伝わるようにと試行錯誤して培ってきた様式なわけです。
この部分、経験上ですが、こだわりがある方とこだわりがない方の振れ幅がすごくあると思います。
どんなスタイルがあるのか少し具体例を挙げてみます。
- 資料をリモコンクリッカーで操作したい
- 資料ページのめくりは運営さんに任せてトークに集中したい
- 演台で話すが途中で実演を行いたい。よって最初からピンマイクで行いたい
- 会場の皆さんに向けて話したい。レーザーポインタを使って指し示したい
プレゼンスタイルの整え方
運営側としてはご希望に沿ったプレゼンを行っていただきたい気持ちですよね。
ですが講師の人数が多い時には特に、会場、時間、設備や機器の兼ね合いもあり断念しなくてはならない部分がどうしても出てきます。
ですので、運営がプレゼンスタイルを決めて講演者がそれに合わせていただくということも多いです。例えばこんな感じ。↓
演台PCに資料を仕込みPC操作でページをめくっていただき、マイクはハンドマイクを手に持って口になるべく近づけて話していただく。そして演台以外の場所でお話されることはカメラアングルの関係上NGでお願いする(もしくは事前にその旨をいただきカメラを設置するなどの準備をしておく)
ここで講師側の視点に立ってみます。
当日に突然スタイルを変えてほしいと伝えられたとしたらどうでしょうか。正直困りますよね。気分を害してしまい方もいるかもしれませんし、テンションが下がってしまうかもしれません。
そこでスムーズな進行を心掛ける大事なポイントとしては、事前に講演者と登壇についてコミュニケーションを少しでもとっておくことだと思います。多忙な方であるとなかなか難しい課題ですが、どんなスタイルで行いたいのかな、という意識でいるかどうかかで情報の集め方が変わると思います。
講演者としても当日の舞台がどうなっているかは不安要素ではあると思いますので、プレゼンスタイルへの確認は決して迷惑なことではないのではないと思います。
講演者のプレゼンスタイルの整え方は準備期間では意外と見落としがちなところ。進行台本や運営マニュアルにも記載はされていないことが多いです。
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