継 日経印刷CSRアクティブレポート Dec.2017 Vol.5
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原田 これまでやってきたことを否定する必要はないんだと思います。例えば当社は、印刷をコア技術にし、いわゆる「ページもの」※と言われる制作物を作ってきました。その仕事は大きな柱のまま、ワクワク感が加わればいい。当社の1階にはラボがありますが、そこにデザイナーがいて、商品開発にチャレンジしたっていいと思う。北川 そんなこと考えてたんだ。ビックリ。原田 ただし、マーケティング的な視点や世の中へのアンテナの張り方など、高いものを求められ、プレッシャーとワクワクの混在がすごいとは思うけど(笑)知らないことが多すぎる!北川 話を聞いていて思ったのですが、僕には「知らない」世界が多すぎる。営業担当だけどボールペンを売ったことはないし、制作担当者の苦しみも知らない。齋藤 いま、御社と連携することもありますが、それは知らないことを知ることにつながるのでは?北川 そうですね。あと当社としては、日本創発グループに入ったことが大きい。グループには出力メディアのプロが数多くいます。いまは知らない世界ばかりだけど、連携することで、できることも増えそうです。原田 手っ取り早いのは人材交流ですね。先日、輪転印刷を中心に行う会社を訪問したのですが、子ども用の鍵盤付き絵本なども作っていたんです。特許も取得されているようで、さらに社長は「アイディアがあれば教えて欲しい」と聞いてました。正直ビックリしました。齋藤 人材交流なんて、すごく地味なやり方に思えますが(笑)北川 相手に会い、知ることが第一。会社案内をもらっても、正直「ふーん」で終わるけど、飲みに行けば相手が分かる。齋藤 これまで、私たちは仕事を通じて専門性を深めてきたけど、そのぶん知らない世界も増えてしまった。つまり、お客さんにとっては頼りない存在になってしまったのかもしれない。北川 知らない世界を怖がり続けていてもしょうがないですよ。齋藤 ええ、そうですね。例えば当社は、コンテンツを「届ける」より「作る」方が得意。でも「届ける」手法を知らないと、作り方も通り一辺倒になってしまいます。1社でできることも限られているので、これからは他社の手も借りて、面として勝負せねばと思っています。北川 私たちは、日本創発グループに入ることで「人の想いをカタチに」という当社のキャッチコピーが、より活かせるようになったと思います。これからもより、お役に立てたらと思います。頑張ります。Prole会社員、フリーライターを経て、朝日新聞出版に入社。週刊誌「AERA」でビジネススキルや働き方の記事を執筆。現在は企業や大学の情報発信を支援するディレクター職。株式会社朝日新聞出版 カスタム出版部クリエイティブディレクター齋藤 麻紀子(※)広告やそのデザインではなく、読みものなどの制作物を指す。17 日経印刷CSRアクティブレポート

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