継 日経印刷CSRアクティブレポート2016.Aug Vol.3
5/16
ヒトが物事を判断するとき、五感のうちの87%は「視覚」に頼っていると言われている。ヒトが視覚から得る情報がいかに大切かを示した数字だ。 昨今の携帯デバイスがもたらす情報のスピードと量は、紙を圧倒している。 書籍、雑誌をはじめとする出版、広告、拡販に付帯する印刷媒体等に対し、場所と時間を選ばず、大量の情報が取得できる携帯デバイスの強みを最大限に発揮し「視覚」をヒットする。 私たちの日常には大量の情報が溢れているが、情報や経験を記憶にしっかりと結びつけるには、他の感覚が必要だという。3%は「触覚」、2%は「臭覚」、7%は「聴覚」が担っているという。本の、わくわくするような紙の香りやインクの香り。そわっ、とページをめくる感触や音。紙面の手触り、手に持った時の感じ。あの感じが「視覚」で得た情報を、自分にしみ込ませるサインになっているのかもしれない。 そういえば、モニタ上で原稿が読めず、メールですら長いものはプリントしてしまう自分。普段はコピーもパソコンで書くくせに、1本のコピーのときは原稿用紙と万年筆を用意し腕組みをする。 文字を使い、思案するルーチンは完全アナログのスタイルにある。 やっぱり「紙が好き!」 校正紙に赤字を入れながら、この原稿も仕上がっていく。インクが紙にしみ込むその音を聞いたことがあるよインクの臭いも覚えているよ改行の時に紙と擦れた音も覚えているよ5 日経印刷CSRアクティブレポート
元のページ