てから10年以上経過していましたが、当社ではこれまで有処理版と水無し版での運用を続けていました。の理想的な技術ではありますが、まだまだ発展途上のイメージで、特に機上現像を行う印刷機への影響に関する情報が不足していたため、導入には至りませんでした。ガーデンに設置のプレートセッター3台の内2台がリプレイスとなり、出力機として無処理版を出力可能な機種に置き換えることをきっかけとして、刷版無処理化のスケジュールが本格的にスタートすることになりました。所有印刷機種にてテストを行ない、一部の懸案に関しては既存の有処理版を継続し、2021年5月、刷版無処理化の実稼動を約9割の印刷機で開始することになりました。レートセッターのリプレイスが完了しました。刷版メーカー側で改良された新型の無処理版にて最後の懸案事項もクリアされたことにより、7月、当社工場において有処理版から無処理版への切り換えが完了しました。最初の完全無処理版が発売され当初の無処理版の印象は、次世代2020年の末にグラフィック様々な絵柄、台数、通し数、そして2022年6月、残り1台のプ目に見える最大の変化は、自動現像機撤去に伴う刷版室の省スペース化でした。無処理化を機にプレートセッター排出部分のコンベアーも撤去したことから更に広くなったと実感しています。合わせて廃液量を削減する機械装置類一式も不要となり、非常にすっきりとした機械周りとなっています。これまで撤去された機器に費やされたメンテナンスの時間もゼロとなり、刷版業務に架かるトータルの作業時間も削減できました。そして何と言っても現像処理に使用した廃液類の排出がゼロになったことです。現像液のマニュフェスト伝票の発行がなくなったことで、環境対応のレベルが工場として一段と上がったと認識しています。広がった刷版室のスペースを新たな生産機の導入により有効に活用したり、これまでは物理的に無理であった自動搬送装置の設置による刷版出力のオートメーション化など、未来に向けたより効率的で高品質なものづくりを行っていきたいと思います。「完全無処理版」導入の経緯完全無処理版導入による変化今後期待できることCSR REPORT 2022 2当社の製造拠点グラフィックガーデン(G2)は、2012年、環境配慮の設備・活動が認められ、印刷業界・環境部門では最高の「 印刷産業環境優良工場表彰 経済産業大臣賞 」を受賞。受賞から10年、業界のモデル工場として、またグリーンプリンティング認定工場として、「地球にやさしい工場」を旗印に、ものづくりを継続してまいりましたが、この夏(2022年7月)、製版時に現像装置(自動現像機)を使用しない「完全無処理版」を導入。自動現像機稼働に必要な電力、メンテナンスが不用となり、製版ユニット1台あたりの占有スペースは半分以下と省資源・省エネ・省スペース化を実現しました。現像液使用量0(ゼロ)であることは、環境負荷の低減のみならず、従業員の安全や作業効率の向上と「人にやさしい工場」の進化につながって行きます。オフセット印刷の最前線、さらなる進化へのモチベーションが上がっています。そしてもう一つ、製造段階でCO2排出量が全量オフセットされた完全無処理プレート※1をG2と浮間工場で調達すると、年間約3,043tのCO2削減※2に貢献することが試算されています。「完全無処理版」の導入により、現在のオフセット印刷の最終進化形を擁するG2は、環境優良工場から10年を経た今も、確実に進化を遂げています。G2のオフセット印刷最前線をご紹介いたしましょう。
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