日経印刷 CSRレポート 2016
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アであること、お客様を深く理解して課題解決の一助となる取り組みを貫くこと、伝えたい人の表現力を技術とアイデアで支援していくこと、こうした企業姿勢が今後も不変であることを改めて示したものです。平面における表現のプロとして、依頼されたことをただやるだけではなく「お客様が求めていることは何か」を自ら追求しなければ、自分たちの存在価値はない。5つのビジョンには、そうした想いが強く込められており、この会社で働く社員一人ひとりが、自分の役割の中でお客様の課題解決のために成すべきことを自ら考える人材になってくれることを期待しています。2020 Visionの達成イメージ2020年を迎えた時、日経印刷は「挑戦し続ける企業」「成長し続ける企業」であり続けている。それが私の思い描く5年後の“ありたい姿”であり、具体的な成長イメージとしては、紙とデジタルという2つの異なる平面媒体を融合させた、機動的かつ効果的な情報発信を行う集団になっていたいと考えています。「情報の新鮮さ」あるいは「検索性の高さ」についてはデジタルメディアに明らかなアドバンテージがある一方、紙には温もりや手触りなど現実世界での存在感があり、エネルギーを消費せずに情報を保存し必要に応じて引き出せるというメリットがあります。求められる機能から、紙である必要があるのかデジタルであった方がいいのかを適切に判断しつつ、今後も紙への表現を木の幹に、デジタル化を含む上流下流の周辺事業を枝葉と位置付け、日経印刷を2つの異なる平面媒体を融合させた1つの大きな樹として成長させていきたいと思っています。印刷会社としての社会的責任を果たすためにCSRが経営の根幹であることは、私が社長に就任する以前から経営方針の中で謳われています。紙(印刷)をコアとする情報発信を担う企業として、社会に新たな価値を提供していくことこそ日経印刷のCSRであると考えています。そのためにはまず当社が社会から評価され、存在が喜ばれる企業でなければなりません。コンプライアンスを徹底し、不祥事を起こさない組織と企業風土を醸成することは、CSR活動を進めていく上で不可欠の前提です。そして印刷業ならではの環境負荷を正しく把握し、定められた手順でその削減に努めること、顧客企業の機密情報や消費者の個人情報を取り扱うものとして、情報漏えいの防止に努めることも、当社の重要課題であると認識しています。当社のグラフィックガーデンではCSRセミナー兼工場見学会を定期的に開催しているほか、私たちの企業としての存在意義を伝える「CSRアクティブレポート」を作成し、社員一人ひとりがどのような姿勢でものづくりに取り組んでいるかとともに、会社として推進している社会貢献活動などの情報を発信しています。近年、ガバナンスコードの制定やSDGs(持続可能な開発目標)の策定、GRIガイドラインのバージョンアップなど、CSRにまつわる新たな国際指標が相次ぎ登場していますが、これらの新たな指針に学びながら、社会の要請に対応できる体制づくりを進めてまいります。CSR意識の浸透とさらなる活動の広がりに向けて当社では、2015年度を「社会に対する貢献を考える年」と定め社員のモチベーションを育み、2016年度は、いよいよそれを「実行する年」としてさまざまな活動を展開しています。CSRレポートの発行も5年目を迎え、私自身はCSR意識が一人ひとりの社員に至るまで浸透してきたことを確信しています。その中で、トップである自分の役割は、社員一人ひとりに会社としての理念と志を繰り返し伝えながら、日経印刷としてのものづくりの在り方やお客様を含めたステークホルダーの皆様と接する姿勢を作り上げることだと考えています。そしてこの会社で働くすべての人が、人として守るべき当たり前の道徳と誠実さを持ち、会社に対して臆することなく意見が言える社員であってほしいと願っています。であるために5

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