日経印刷 CSRレポート 2015
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グラフィックガーデンのグラフィックガーデンは、日経印刷グループの自社工場での生産量のうち約80%を占めるフラッグシップ工場です。紙やインキなど、副産物のリサイクル量についても全体の約80%を占め、グラフィックガーデンは環境面においても日経印刷そのものということができます。そんなグラフィックガーデンで使用されている機械や環境活動、またその背景にあるさまざまな取り組みをご紹介しましょう。境環活動ゼロエミッション実現のために現像廃液の量を1/8に日経印刷で作成される印刷物のうち、約95%は製版部にあるプレートセッターから出力されたPS版が使用されます。このPS版を出力する際に発生する現像廃液は、今までそのまま産業廃棄物として廃棄していました。会社の成長とともにPS版の出力量は増え、それにともない排出される廃液の量も増えました。多い月には約3,000リットルにもなった廃液を減らすため、現像廃液削減装置を導入しました。この装置により、廃液は濃縮された廃液と再生水に分離され、廃液の量は従来の約1/8まで減りました。さらに、生成された再生水はプレート洗浄液として再利用されています。製版部人から機械によるメンテナンスへ印刷機のブランケット(インキを転写する部位)は、版を交換したときやゴミや紙粉が着いたときに洗浄する必要がありますが、従来は溶剤と水を使用するブラシ式の自動洗浄装置が使われていました。このブラシ式装置の洗浄には大量の溶剤が必要で、それにともなって発生する廃液の処理が必要でした。グラフィックガーデンにある印刷機には、布タイプの自動洗浄装置が取り付けられました。これにより、ブランケット洗浄における廃液はゼロになり、全体での溶剤使用量も88%削減されました。印刷部調色名人は無駄なインキを作らない従来、特色インキは色見本を基に試しながら作成したため、どうしても実際に印刷で使用するインキの量より多くなりがちで、あまったインキは廃棄されていました。また、同じ色の再現もとても難しいものでした。そこで調色名人が導入されました。今までに蓄積されたインキの配合データは約60,000件以上になります。データで管理することで色の再現性が上がり、インキの作り直しがなくなりました。さらに過去の印刷部数データなどから使用するインクの量も計算できるようになったため、必要な時に必要なだけのインキが作成することができるようになりました。印刷部特集6
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